#03「並列過程のパラノイア」
未来ガジェット研究所にて、「電話レンジ(仮)」の実験を行う岡部とダル。レンジ内にあったはずのバナナはゲル状と化し、レンジから離れた場所にある房に戻るという驚くべき結果となった。その実験を偶然目撃していた牧瀬紅莉栖に促されて再実験を行った岡部は、「電話レンジ(仮)」には過去にメールを送信する機能があり、擬似的な「タイムマシン」のようなものではないかと推測する。紅莉栖はタイムマシンの存在を認めようとせず、未来ガジェット研究所をあとにした。一方、「電話レンジ(仮)」のタイムマシン仮説を立証しようとする岡部は、ジョン・タイターが@ちゃんねるに書き込んだ「未来ではSERNがタイムマシンを管理している」という記述を思い出す。ダルにSERNをハッキングさせた岡部は、職員の電子メールのやりとりを発見し、SERNが公式に否定しているミニブラックホールの生成に成功している事を知る。タイムトラベルを実現するために、ブラックホールを使った理論が存在するのである。そして、一通のメールには次のように書かれていた。「HUMAN IS DEAD MISMATCH」と――。
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【用語1】 HENTAI
岡部が紅莉栖に行ったセクハラ行為を指す言葉。紅莉栖は岡部を罵るためにこの言葉を用いたが、なかにはダルのようなあえて罵られたがる人種も存在する。また、「HENTAI」と「HENTAI紳士」では意味が大きく異なり、ダルは後者を自称している。
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【用語2】 クリスティーナ
岡部が付けた紅莉栖の呼び名のひとつ。未来ガジェット研究所に訪れた紅莉栖を勝手に「助手」と決めつけたあげく、この呼び名を付けた。「クリスティーナ」と呼ばれることに抵抗していた紅莉栖だったが、あまりの岡部のしつこさに、否定はしつつも受け入れ始めているようである。
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【用語3】 ラボメン
未来ガジェット研究所に所属するメンバー=ラボラトリーメンバーの略称。ラボメンにはそれぞれナンバーが与えられており、No.001~003は創設メンバーである岡部、まゆり、ダルの3人。のちに、未来ガジェット研究所を訪ねてきた紅莉栖が半ば強引な形でラボメンに認定され、No.004を与えられた。
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【用語4】 ザ・ゾンビ
岡部が付けた紅莉栖の呼び名のひとつ。表記する場合は「蘇りし者」と書く。ラジ館で刺殺されたはずの紅莉栖が、なにごともなかったかのように行動していることから名付けられた。
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【用語5】 タイムマシン
時空を航行して、過去や未来へと時間旅行(タイムトラベル)するための装置のこと。岡部たちが暮らす2010年の世界では、タイムトラベルのための11の理論が提唱されているが、実現は不可能とされている。岡部は自分たちが開発した「電話レンジ(仮)」が擬似的なタイムマシン機能を有していると推察しているが……?
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【用語6】 シャイニングフィンガー
岡部が桐生萌郁につけた呼び名。ケータイメールを打つ彼女の運指があまりにも速いことが名前の由来であり、「閃光の指圧師」と表記される。なお、実際に指が輝いて見えるわけでもなく、ましてや「俺のこの手が光って唸る!」という技を指しているわけでもない。
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【用語7】 さんぽ
秋葉原の中央通りから入った路地にある老舗の牛丼屋。岡部やダルの行きつけの店。店内ではケータイの使用が禁じられている。
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【用語8】 LHC(ラージハドロンコライダー)
SERNが所有する全長27kmを誇る巨大な素粒子加速器。使い方によってはミニブラックホールの生成が可能……とされている。ジョン・タイターによると2034年、SERNはこの装置で作り出したミニブラックホールを応用して、タイムマシンの実用化に成功するとのこと。
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【用語9】 おでん缶
秋葉原の片隅にある自動販売機で売られているおでん入りの缶詰。アキバっ子のソウルフードだったが、近頃ではアキバ名物としても知られている。おでんのハイシーズンは秋から冬にかけてだが、おでん缶は季節を問わずいつも熱々。
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【用語10】 雷ネットソーセージ
人気アニメ番組「雷ネット翔」のソーセージ。オマケとしてボトルキャップが封入されており、その種類はなんと99種類もある。「雷ネット翔」の熱烈なファンであるまゆりは、雷ネットソーセージを買い続けている。
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【用語11】 Human is Dead,mismatch
ダルがハッキングしたSERN職員の電子メールに書かれていた言葉。SERNがすでにミニブラックホールの生成に成功しており、それに関連した目的不明の実験が繰り返されていることを示す内容が記されていた。「Human is Dead,mismatch」の文字はその実験結果とおぼしきメールに記されていたが、これが何を意味するかは今のところ不明である。