#08「夢幻のホメオスタシス」
ジョン・タイターから「救世主になってほしい」とのメールを受け取った岡部は、ダルと紅莉栖に、過去を司る女神作戦(オペレーション・ウルド)の再開を告げる。そして、岡部は自分だけに世界線変動前の記憶を保持する特殊な能力「リーディング・シュタイナー」があることを示唆する。その能力を立証するために、Dメールの実験を重ねる岡部たちは、4日前の萌郁に“ケータイの機種変更をするな”というDメールを送る。その結果、世界線は変動し、萌郁の行動が変わり、彼女がラボに来なかったという過去に改変されてしまった。そして、Dメールの話を立ち聞きしたるかから“女の子になりたい”と打ち明けられる。岡部らは、るかの母親のポケベルに、「野菜をたくさん食べると女の子が生まれる」という俗説に従って、野菜を食べることを勧めるメッセージをDメールで送った。その直後──岡部を再び奇妙な感覚が襲う。リーディング・シュタイナーが発動したが、るかの外見には一見なんの変化も観られなかった。確かに世界線は変動したはずなのだが…
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【用語1】 リーディング・シュタイナー
岡部が持っている、世界線が変動したことを体感する能力。Dメールを送った際、強烈なめまいを感じる。多くの人間は世界線が変化すると記憶が再構築され、前の世界線の記憶を失うが、岡部はこの能力によって世界線が変わっても記憶を維持している。ただし、移動後の世界線において、再構築された記憶を持てないという弊害もある。
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【用語2】 キラリちゃん
TVアニメ『雷ネット翔』に登場するヒロインの女の子。コスプレ衣装作りが趣味のまゆりは、コミマに向けてキラリちゃんのコスチュームを制作しており、これまでコスプレの誘いを断り続けてきたるかに強引に着用させた。
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【用語3】 かわいいは正義
キラリちゃんのコスチュームを着用して恥ずかしがっている、るかに対してまゆりが言った言葉。元ネタは、某人気アニメのキャッチコピー。
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【用語4】 ローアングラー
秋葉原の歩行者天国やイベント会場において、ミニスカートのコスプレイヤーやコンパニオンを極度に低い位置から仰角に撮影するカメラ小僧に対する蔑称。るかのコスプレ姿を見たダルはHENTAI紳士の本領を発揮し、「ローアングラー化したくなる」と本音を漏らした。
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【用語5】 毒電波
精神的な異常を誘発する思念や言霊、もしくはそれらに類するもの。現実に存在するかどうかは不明だが、おかしな行動を取ったときの言い訳に使われることも少なくない。もともとはサブカルチャーの世界で使われていた言葉だったが、アドベンチャーゲームなどをきっかけにオタク用語として広まっていった。妄想を揶揄する言葉として使われる。
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【用語6】 ポケベル
正式名称はポケットベル。端末を携帯している相手にメッセージを送信できる無線呼出しシステム。1980年後半から広く使われたが、携帯電話の普及により、2007年にサービスを終了した。初期のメッセージ機能は数字しか送れなかったため、2桁の数字を文字に置き換えて会話をする方法が発展した。濁点や半濁点も1文字と換算されるため、たとえば「べ」であれば4バイトの数字が必要となる。
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【用語7】 やさいたべるとげんきなこをうめる
女性として生まれることを願い、るかが母親に送ろうとしたDメールの文面。肉を食べると男の子が、野菜を食べると女の子が生まれやすいという話だが、科学的根拠のない迷信である。文字数をオーバーしていたため、岡部が「やさいくうとげんきなこをうめる」に変更して送信した。