#13「形而上のネクローシス」
ラボを強襲してきた萌郁の凶弾に倒れたまゆり。最悪の事態を前にして身動きが取れない岡部たちだったが、そこに姿を消したはずの鈴羽が現れる。素早い動きで襲撃者たちを次々と倒した彼女は、「42」「ブラウン管」「点灯済み」とつぶやく。それを聞いた紅莉栖は完成したばかりのタイムリープマシンを起動させ、岡部は過去へ時間を巻き戻すべく叫んだ――「跳べよぉぉぉぉっ!」。ふと我に返ると、岡部は惨劇から数時間前にタイムリープしていた。ラボメンたちにパーティーの中止を告げる。岡部の唐突な行動に戸惑う紅莉栖たち。岡部はまゆりを探し出し、一緒に逃げ回るが、萌郁の乗っていた自動車にまゆりは轢かれてしまう。再びタイムリープした岡部は秋葉原駅を避け、まゆりを連れて地下鉄へ向かった。だが、駅構内に電車が乗り入れてきた瞬間、まゆりは天王寺の娘、綯に突き飛ばされる。まゆりの死は避けようのない結果なのか……。それでも、岡部はまゆりを助けることを決意する。
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【用語1】 祖母
まゆりが小学生の頃に亡くした祖母。おばあちゃん子だったまゆりは、悲しみのあまり失語症のような状態になっていた。そして毎日祖母の墓に訪れ、彼女は墓前で形見の懐中時計を握りしめ、ひたすら空を見上げて過ごしていた。
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【用語2】 レンブラント光線
「天使の梯子(エンジェルラダー)」とも呼ばれる、雲の切れ目から差し込む太陽光。神秘的な自然現象として、画家や写真家にも人気がある。まゆりが墓に来るようになって半年ほど続いたころ、雨あがりの雲間から漏れるこの光を見た彼女は、突然空に向かって手を伸ばした。物陰からその様子を見ていた岡部は、まゆりがそのまま天に消えてしまいそうな気がして、思わず駆け出した。
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【用語3】 マッドサイエンティスト
岡部が子供の頃、まゆりとふたりで見ていたテレビに登場した悪役。天に吸い込まれそうなまゆりを見て不安になった岡部は、まゆりを抱きしめながら悪役のセリフをマネて「まゆりは……俺の人質だ……人体実験の生け贄なんだ……」と叫んだ。すると、まゆりには久しぶりに笑顔が戻ったのだった。それ以降、まゆりは岡部の「人質」を、岡部はマッドサイエンティストを自称するようになる。
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【用語4】 開発評議会
タイムリープマシンの完成を記念して、岡部、まゆり、ダル、紅莉栖、鈴羽の5人で開いたパーティー。しかし、その最中に萌郁の襲撃を受けてまゆりが凶弾に倒れる。岡部のタイムリープ後は、中止され、岡部はまゆりを探して秋葉原中を駆け回る。
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【用語5】 地下鉄
まゆりを救うために2回目のタイムリープを終えた岡部は、不通になっていない地下鉄で秋葉原から逃げることに。ラボの最寄駅は末広町駅だが、SERNの襲撃者たちから逃げ回った結果、新御茶ノ水駅に到着。しかし、偶然そこに現れた綯がまゆりを線路へ突き落としてしまい、またしてもまゆりの命は失われた。