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ストーリー

#15「亡環上のネクローシス」

2036年からやってきた鈴羽は、岡部と紅莉栖に未来の姿を伝えた。SERNがタイムマシンの力で世界を支配していること、鈴羽がレジスタンスであること、「電話レンジ(仮)」がSERNのタイムマシン開発の決定打になったこと……。そして、岡部がラジ館の前でダルに送った最初のDメールがSERNの通信傍受システムに引っ掛かり、それがラボ襲撃の引き金となったという。DメールをSERNのデータベースから削除すれば、SERNがタイムマシンの開発に成功しなかったβ世界線へ移ることが可能になる。だが、データベースにアクセスするにはIBN5100が不可欠であり、鈴羽はIBN5100を現在の岡部へ託すため、これから1975年へ跳ぶという。しかし、鈴羽が乗ってきたタイムマシンは雷雨によって故障しており、起動しなかった。タイムマシンを修理するためタイムリープした岡部は、ラボメンに鈴羽の正体とタイムマシンについて明かす。タイムマシンの修理をダルに一任した岡部はまゆりの提案を受け、形見のピンバッジを手に鈴羽の父親捜しを再開。ラボメンたちの惜しみない協力に感謝する鈴羽。タイムマシンの修理の目処が見えてきたそのとき、岡部のケータイに街で出会った露天商からの知らせが入る。「ピンバッジの男がわかった」と……。

GLOSSARY

【用語1】 レジスタンス

鈴羽はSERNの独裁に抵抗するレジスタンスの一員である。2036年の世界は、SERNに支配された管理社会――ディストピアになっており、人々に自由はなく反抗すればすぐに処罰される。そんな未来を変えるため、鈴羽は父親が遺したタイムマシンで過去へ来たのだった。鈴羽の話では、岡部はレジスタンスの創設メンバーのひとりでテロリストとして知られているが、2036年にはすでに他界しているという。

【用語2】 栗悟飯とカメハメ波

紅莉栖が@ちゃんねるで使っているハンドルネーム。@ちゃんねる上では、ジョン・タイターの発言を非論理的と激しく煽っていた。だが、鈴羽がジョン・タイターとして書き込んだことは概ね事実であり、SERNはタイムマシンの開発に成功したことで人類の秩序を塗り替え、世界を支配する権力を持つに至った。そのきっかけになったのが、2010年に秋葉原で作られたタイムマシン……すなわち「電話レンジ(仮)」であり、紅莉栖は「タイムマシンの母」として後世にその名を伝えられている。2036年の時点では岡部と同様、紅莉栖も他界しているらしい。

【用語3】 雷雨

8月10日の夜に降った激しい雷をともなう大雨。この日、鈴羽は1975年に跳ぶつもりだったが、岡部が自身に送ったDメールによって現代にひきとめられる。予定を変更して父親捜しを続けることにした。つまり、岡部のDメールが結果的にタイムマシンを故障させる原因を作ってしまった……ということになる。

【用語4】 ピンバッジ

鈴羽が未来から持ってきた父親の形見。「OSHM***A 2010」と刻印されている。鈴羽の使命は1975年の世界でIBN5100を手に入れ、それを2010年の岡部に託すことにある。本来、彼女は2010年に跳ぶ必要はなかったのだが、父親に会いたいがために寄り道していたのだ。ピンバッジは鈴羽の父親を捜す唯一の手がかりであり、岡部とまゆりは父親の消息を探して秋葉原で聞き込みを続けることになった。

【用語5】 タケコプカメラー

未来ガジェット2号機。正式名称はダルが命名した「未来ガジェット2号 オルタナティヴ・エディション、バージョン2.67」で、竹とんぼの支柱下部に取り付けたCCDカメラで空中撮影が行える。紅莉栖は鈴羽の父親探しにこれを活用しようと考えるが、高速回転する映像しか撮れないため断念。未来が舞台のSFコミック、『22エモン』に登場する道具が元ネタとなっている。

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